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ターキッシュスタイル

トルコのオリエンタル・ダンスが「チフテテリ」として多くの人に信じられている誤解は、ギリシャ人とジプシーたちがオリエンタル・ダンスの中にそれぞれの音楽様式を混ぜ合わせていった事実によるものであり、その事はギリシャ人がベリーダンスを「チフテテリ」と呼んでいた事からも説明でますが、トルコのチフェテテリはもっと正確には結婚式の民俗音楽の構成で、結婚式のダンスの陽気なパートで編成されたパートであり、オリエンタルダンスとは結びきません。

トルコのベリーダンスはオスマン帝国のスルタンの宮殿にあるハレムに深いルーツを持ってはいましたが、今日のトルコのベリーダンスは、エジプトやシリア、レバノンといった「姉妹」様式よりもロマ民族やローマ人の様式により強く影響を受けた、「オスマン帝国のラカス(rakkas)」から世界中に知られるオリエンタルダンスへと発展を遂げています。

踊りの特徴は、大きな動きが多くとてもダイナミックです。ジプシーの踊りに影響を受けたともいわれています。膝をついたり、寝転がったりというフロアーダンスが多いのもターキッシュの特徴です。踊りと同じく、ベールの使い方もダイナミックです。ヨーロッパの影響を受け流行を取り入れたりと、踊り方を柔軟に変化させるのもターキッシュの特徴です。

ターキッシュスタイルでは、腰をひねって斜め前面に持ち上げるスラストの動きが多く使われ、ダンサー全体も若く、細身で、コスチュームの露出が大きいです。足が全部出てしまうような大胆な衣裳も好まれています。ダンサーたちはハイヒールとプラットフォーム・シューズ(厚底靴)を履く事でさらに、ターキッシュ・スタイルである事を強調します。このハイヒールはエジプトのダンサー達にも影響を与えました。

トルコの法律では、エジプトのようにダンサーの踊りの様式や衣装に制限を課されなかったからとも思えます。よってより激しくダイナミックなターキッシュへと発展していった思われます。

(エジプトでのダンサーたちは舞台活動と腰回りを用いた特定の振り付けを禁じられていました。)

またターキッシュスタイルではフィンガーシンバルを用いることが多いのですが、これには、かなりの技量を要求されます。ターキッシュ・ダンスの目利きの人は、よく「ジルを上手く扱えないダンサーは熟練したダンサーではない」と言うほど、フィンガーシンバルの技量が求められます。

音楽は、バイオリンなどの弦楽器の音が強く、高音域が広く感じます。クラリネットが多く使われることやジルの音が高めだということから、高温を特徴づけているようです。ロマ(ジプシー)文化の影響をうけていることから、ジプシー独自のリズム「12-34-56-789」とカウントする9/8拍子のカルシルマ・リズムが多いです。ターキッシュスタイルがロマ人のルーツに近いままなのは、トルコ人のダンサーや音楽家たちがロマ民族の遺産をそのまま踏襲しているからです。そのまま受け継ぎながらも、独自のスタイルとして確立してきたのがターキッシュスタイルです。